弘法も筆のあやまり
“弘法も筆のあやまり”とは
どんな名人でも失敗はあるという諺のひとつです。
弘法とは弘法大師のことで、真言宗を開いた平安時代の高僧です。
弘法大師はその当時、嵯峨天皇(さがてんのう)・橘 逸勢(たちばなのはやなり)
とともに“三筆”といわれるほどの筆の名人であったのです。
この弘法大師がジを書き損じたお話が“今昔物語”に出ています。
京都の大内裏(だいだいり)に応天門という門があります。
弘法大師はこの門にかかげる額を書くことになりました。
ところが、書き終えて門にかかげた額を見ると
“応”の字のはじめに打つ点が抜けているではありませんか。
そこで弘法大師はどうしたか??
なんと・・・
筆を投げて点を打ったといわれています。
さすが、弘法大師ですね。
このお話から
“弘法も筆のあやまり”といわれるのです。